紀平梨花選手の競技人生を読み解く運命サイクル｜成長の軌跡とその先へ

2025年04月03日

アスリートの成長には、目に見える成果の時期もあれば、試行錯誤を繰り返しながら未来へ向けて準備をする時期もあります。紀平梨花選手の競技人生もまた、成功と挑戦、試練と成長を繰り返しながら進んできました。

本記事では、彼女の競技成績を「運命フェーズ」の視点から分析し、どの時期が飛躍期だったのか、またどのように困難を乗り越えてきたのかを探っていきます。

次の運命サイクルの表を元に紀平梨花選手の軌跡を一緒に辿っていきましょう。

「🌾収穫」（2015年～2017年）：ジュニアでの成功と成長

2015年頃から始まる「🌾収穫」フェーズは、過去に培った技術や努力が実を結ぶ時期です。このフェーズで紀平選手は、ジュニア時代に大きな成果を残しました。

2015-16シーズン：全日本ノービス選手権Aクラス優勝
2016-17シーズン：ジュニアグランプリシリーズデビュー
– JGPリュブリャナ杯で女子史上初の6種類8本の3回転ジャンプを成功

特に世界初の6種類8本の3回転ジャンプ成功は「🌾収穫」期の象徴的な出来事です。

運勢は、追風◎で、幸運の風が吹き、紀平選手の満足のいく成果を手にされたのではないでしょうか。

「🟤種へ」（2018年2月～2020年6月）：シニア移行と世界大会での躍進

「🟤種へ」フェーズは、過去の経験を整理し、次のステージに向けて準備を整える時期です。このフェーズでは、不要なものを手放し、結果的に必要なものを残すような出来事が起こる時期といえます。

紀平選手にとってこの期間は、新しい技術に挑戦し、ジャンプの安定性向上に取り組む中で、試行錯誤を繰り返しながら成長した時期のようでした。

シーズン序盤は順調で、オータムクラシック優勝、スケートカナダ2位、NHK杯2位といった安定した成績を収めました。この頃の運気は追風◎（幸運の風）が吹き、好調な結果を残しました。

しかし、シーズン後半になると、「逆風×（障害）」が強まり、2019年3月の世界フィギュアスケート選手権では4位という結果に終わるなど、困難な状況が続きました。この結果も運気の影響があったのかもしれません。

「🟤種へ」フェーズでは、ジュニア時代の実績を基にシニアで活躍しつつも、技術的な試練や環境の変化に直面しました。そして、未来へ向けてどのような選択をするかを模索していたことが伺えます。

「🟡種蒔」（2020年7月～2022年6月）：新たな運命サイクルの始まりと転機の時期

「🟡種蒔」フェーズは、新しい運命サイクルが始まる転機の時期です。これまでの経験を基に、新たな挑戦と成長を遂げるための重要な期間となります。紀平選手にとっても、このフェーズでは大きな変化と新たな挑戦が待っていました。

2020年、紀平選手はスイスに練習拠点を移し、世界的に著名なコーチであるステファン・ランビエールの元で新たなトレーニングを開始しました。技術の深化だけでなく、表現力や演技の幅を広げるための挑戦が始まり、まさに「種を蒔く」ように新たな可能性を模索する時期となりました。

また、2020年6月には、所属先が『N高東京』から『トヨタ自動車』へと変更し、競技環境や生活基盤にも変化が生じました。この選択が今後のキャリアにどのような影響を与えるかは、時間とともに明らかになっていくことでしょう。

運勢と競技成績

2020年12月に行われた第89回全日本フィギュアスケート選手権では見事1位を獲得し、実力を証明しました。しかし、この時期の運勢は決して順風満帆ではありませんでした。2020年7月からの運勢は「追風×、逆風×」という非常に厳しいもので、特に「逆風×」の時期には困難が重なり、無理をすると後に大きな影響を残す可能性がありました。また、「追風×」は、多くのことに手を広げすぎることで収拾がつかなくなるリスクを伴う時期でもあります。

その後も2020年後半から2021年前半にかけて逆風× の影響が続き、心身への負担が増す中で耐え抜くことが求められました。そして2021年3月の世界フィギュアスケート選手権では7位に終わり、運気の影響が大きかったことがうかがえます。

2021年後半に入ると、さらなる試練が待っていました。右距骨の疲労骨折によりグランプリシリーズを欠場せざるを得ず、目標としていた北京冬季オリンピックへの出場も叶いませんでした。まさに「逆風」の影響が色濃く出た時期だったといえます。

しかし、2022年2月にはアイスショー「プリンスアイスワールド」に参加し、約7か月ぶりに観客の前で氷上に立ちました。この時の運勢は「追風◎」であり、復帰のタイミングとして非常に良い時期だったと考えられます。この出来事は、紀平選手にとって新たな希望をもたらし、次のステージへの準備を進める契機となったことでしょう。

「🌱発芽」（2022年11月～2025年3月）：新たな可能性が見え始める時期

「🌱発芽」フェーズは、これまでに蒔いた種のうち、どの種が芽を出したのかが分かり始める時期です。このフェーズでは、試行錯誤を重ねながら、自身の進むべき方向を定めていくことになります。

2022-23シーズン：復帰と試行錯誤の始まり

2022年9月、中部選手権で2季ぶりに競技会へ復帰。実に525日ぶりの公式戦となりました。この頃の運勢は追風◎、逆風－と、幸運の風が吹く良い運気の中での復帰でした。

続く10月のジャパンオープンでは団体優勝を果たし、復帰後の好調なスタートを印象づけました。しかし、10月末のスケートカナダでは5位、11月のエスポーグランプリでは4位と、グランプリシリーズでは表彰台には届かず、12月の全日本選手権では11位に終わるなど、調整が続くシーズンとなりました。

運勢的には追風◎の影響もあり、復帰後の流れは良好でしたが、競技結果としては試行錯誤が続きました。長期間のブランクからの復帰ということもあり、課題が明確になった時期とも言えるでしょう。「発芽」フェーズの特徴通り、どの要素を大切に育てていくかを模索する段階だったのかもしれません。

2023-25シーズン：試練と慎重な調整

2023-24シーズンに入り、紀平選手はグランプリシリーズ・スケートカナダにアサインされていましたが、過去の右足距骨の疲労骨折の完治を優先し、出場を断念しました。さらに、2024-25シーズンも医師の判断により、試合への出場を見送ることが発表されました。回復に向かう中で焦らず慎重な選択をすることが求められる時期となりました。

「発芽」フェーズの終盤に差し掛かるこの期間は、これまでの経験を振り返り、次の成長に向けて準備を整える大切な時間でもあります。怪我を乗り越え、競技復帰に向けた最善の選択をしながら、次のフェーズへとつなげていくタイミングなのかもしれません。

「🌱発芽」フェーズを経て、次の「🌿成長」フェーズへ

「🌱発芽」フェーズでは、長いブランクからの復帰、試行錯誤を重ねながらの挑戦、そして慎重な調整の期間が続きました。この時期にどのような選択をされたのかはまだ分かりませんが、それぞれの経験が未来への重要な礎となることでしょう。

そして、次に訪れるのは「🌿成長」フェーズ（2025年4月～2027年7月）。この時期は逆風◎の影響を受けます。これは困難を意味するのではなく、技術を磨いたり、将来に役立つ経験を積むことができるチャンスの時期です。「🌿成長」フェーズと重なり、より大きな実力を積むことができる可能性を秘めています。

「🌱発芽」フェーズで見つけたものをどのように育てていくのか、その選択が「🌿成長」フェーズでの成果へとつながります。この先の歩みが、さらなる飛躍へのステップとなることを願っています。